内股、墓地に惹かれる

墓地はいいなあ。あ、電車が来た。この柵を走り高跳びのようにまたいで死んだ人がきっといると思う。ここで犬の威嚇を受ける。座敷犬のくせして、いっちょ前に仕掛けてくるじゃん。ま、今わたしは何かを発しているから、しかたがない。墓地はいいなあ。それにしてもこぶしの花がかわいい。

重度の内股

思いがけず、歩きながら屁が出て、まあお手本のような音が出た。幸いうしろには誰もいなかったから――今ちょうど右手にこぶしの木がクリイム色の雲を浮かべている。かわいいなあ。先程わたしは着ている服をこてんぱんにされ、まともに歩けないところだが、白い花や足下のピンクの花を見れば、家まで帰れるだろう。それにしても、内股がかなり頭角を現しているらしく、胸を張って堂々と歩くわたしの姿は、どのみち滑稽なんだとか。

笑う屁

屁は元気だ。今の屁はヒャッと、某大御所司会者のような引き笑いをしたみたいだった。自分の屁はどんなに臭くても、臭いことが楽しいし嬉しい、嗅ぎたいし嗅ぐのが好き。人の屁は断じてご免。