鶴の部屋

会えばいつでも笑いあうため
分かち合わないものがある
友人、知人という判断で
保たれる穏和な環境がある

高く拵えた塀の中から
温められた孤独は出かける
格上げした時間のほうへ
覚えのない努力の賜物

機織りをする鶴のように
毎日孤独を養生する
何に化けるということもない
どのみち、ひとりぽっちなのサ

高く拵える塀の中では
冷めすぎた孤独がのぼせる
格下げした特別なほうへ
覚束ない努力を奉納

閉ざされた扉の数だけ
守り抜きたい幻がある
虚しさとて熟成させりゃ
幾らか値打ちもあるだろう

機織りをする鶴のように
時々孤独を養生したいだけ
家族、恋人という区画に
養える未来の限界を見る