2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

泣いて癒すな

やがて開発されるのであろう 大気中に酸素を放出する機械なるもの 今日あの映像を観た者たちは そこへ投資することを厭わないだろう 化学式を以て世界は救われる 金の匂い 芳醇な 形式ばって世界は巣食われる 血の匂い 脆弱な やがて底をつくのであろうか 今…

18時のとむらい

帰る人 帰る人 こんやの飯はなにしよか 酒にしろ つまみにしろ まずは生き延びた賛美歌を 帰る君 帰る君 こんやの飯を鼻で笑う 母ちゃんてば はりきって きのうからあげやりすぎたのだと 半袖の隙間に覗いてる男の色気をちと見遣る 楕円の球の気ままさに迷う…

初子の歌

君の歌を 聴きたいよ ハコちゃん その胸いっぱいの 愁いを隠しきれない愛 夜風が涼しくなったねと きっと君なら言うだろう そして僕はそうだね、と 茂る夏をかえりみること よろこんで するだろう 君の歌を 聴きたいよ ハコちゃん この部屋いっぱいに 愁いを…

おまえの唄

明日あるいは今夜死んじまうかもしれないんだってこと けれどたったこのいま想っていること 誰も 知らないんだってこと 聞いてほしいことがあるつまらないことばかり話しておきたいことがあるいつかわらってしまえるように やがていつかあのとき想っていたこ…

思い出して

忘れていたよ 息をしていた またとない粒子で満たされた おれの時間を 忘れないでね 息をしている かわりばえしない酸素のなか あいしている 忘れないでね 思い出してて

バカみてえな夜がある

バカみてえな夜があるよ 踊らなけりゃ眠れない夜 そりゃ ダンスにもいろいろあるけどさ 俺のそれは なにしろ簡単 道行く青年 晴れ晴れと そうか 慣れて久しいか バカみてえな時は来るよ 飛びださなきゃ落ちられぬ夜 バカみてえに綿を摘めど 果てがこれじゃあ…

飛ばせ 2016.06.12

渡ろうとした横断歩道に 不本意停車のダンプと目が合った やれやれ まばたきが ウインクに見えた朝の幻 つかえないね環八 とどけ同情 待ち構えている現場なんて ほったらかしてサ、どっか行こうよ となりに置いてくれないか 邪魔などしないから 横顔を見てい…

呪い

自由 自由 自由の体現 買い物かごは夢でいっぱい きっと 呪われている 富裕 富裕 富裕の証明 かわいいがらくた袋いっぱい きっと 呪われている 僻みのまなざしをむけるつもりはない だがしかしあまりにも清々しいきみを うらやまずにいられぬような日もある …

オマツリ

本当なら 天を仰いで地にめり込むほど 驚かなくてはならない 誰もがそれほど肉体的な欲望 保持して生きていないなら 誰も目を逸らすような接吻 視線こんがらがってオマツリ 少々粗っぽい それは尊い 再戦望んじゃうくらい 抱き締めて 心から 重箱の隅つつか…

秤の上のピーポー

とかく人は愛に敏い 今日も皆 秤の上 おれのなにか きみにあげる たぶん すぐに忘れる とかく人が誰か試し 責めることをたのしむ とかく人が誰か煽り 笑うことをしたがる おれはこれを きみにあげる すこし 役に立ちたい おれはこれを きみにあげる やがて …

クリニック

思い上がった股ぐら 散らかった脳味噌 クリニック クリニック 紹介不要で診察す 藪医者に 仮病の患者 入れ代わり立ち代わり 治療一回 大概完治 再診予約は必要ない 膨れっつらの股ぐら かたよった脳味噌 クリニック クリニック 毎度初診料頂戴す 藪医者に 仮…

すずめのビーム

その声に込められた おもい わからない ゆえに 楽しい 世界だ すずめ すずめ まっくろな お目々 ちゅん ちゅん ちゅ・ちゅん なにか 撃ち込まれたようだ なにか 撃ち込まれたようだ その声に込められた おもい 説き明かす よって 相容れぬ 日々だ すずめ す…

美しい

君が涙した その黒い星は 死んだあとも 輝くだろう 君が涙した あの黒い星は 生きている間 つきまとうだろう けれど 撃ち落とさない 美しい 君の涙は美しい 敵を恨まず ただ 遡るのだ 己の弱さだけを あの日を たぶん 愛してやまない そのような 頬の煌めき…

好戦的

よくもまあ まけろなどと言ってくれる そんな根性に立ち会う神経の持ち合わせがない なんなら こっそり盗んでくれれば 嬉しいくらいだ あのオヤジのように 法の支配下でやってのける あの勇気ある行動に比べたら その往生際の悪そうな行為 優先して 罰したい…

ずるいぜ〇七二一

不親切だって怒ってるやつ 人に親切にしたことがない 見返り求めないと言ったって せめて礼ぐらいは寄越せよと 死んでしまえばいいようなやつほど 面白いくらいのさばるもの ――そう思いこむ正しさ これがまた病的で 〇七二一ばっかりしてないでね よがってな…

ビデオのようにシルブプレ

親しくなったら途端に破綻 つとめて終電までの関係 わざとあれこれ訊ねないのだ その強引さ よもや裁判沙汰 目を覆いたくなるような 大根役者 むしろ熱くなる 生放送 ビデオのように接Xしたい 適宜PAUSE 一息入れながら 珍プレー 好プレー シルブプレ CHAPTE…

湯に浸かりながら星を語る少年たち 渋い声を操って 同じようにもたげた頭の中を それだけで沢山にはできなかったけど わたしの言葉に 返る声の粗さ 空より澄んで この夜のために 走らせた二輪 停まれる その睦まじさ 宇宙へ開け放つその瞳の中 なによりわた…