2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

大目に見てくれや

生きていることの幸せが ひとりで過ごす夜に消えてなくなる ここへ来て いますぐに 誰でもいいわけじゃないことは 大目に見るべきさ 疑わしくなりつつある価値との対峙 今日もはりきってやさしいカツアゲ 本日はどなたより頂戴致しましょう 魔性 ねえ おとく…

漫画家 2016.7.31

今 あなたを知った ついで 死んだことも―― ひと月前なら会えたかもしれない もう あなたの漫画は アマゾンでも手に入らない 蜘蛛の巣に絡まっていた断片をつまみとった 人って死ぬんだね なのにアカウントは尚も生きて 誰か止めさせて ああ今日も探しちゃう…

生命保険

わたし 死にます あなた 死にます だれも先を 急ぎません 彼は 死にます 彼女は 死にます だれも競い あいません ところでわたしの行く先は 寺院のもとで永代? 坊さんの腕でgoodnight? 曖昧な意思表示が披露する画は 惨劇 困り疲れ果てた面々 ご存知の通り…

暇はいつも街を選んだ

暇はいつも街を選んだ しょうもないものを買い付けた やたらと甘いものを好んだ 〆に決まって酒を啜った 暇はやけに家を出たがった だだっ広いモールに長居した 試食の誘いにはすべて応じた フードコートで昼夜の食事を済ませてしまった 暇はことあるごとに…

そんななりして

うう けむたい部屋 心房細動促すDJ ああ 焚かれるフラッシュ 瞬間浮上するフェイス あわよくば 求め合うくらいなら 踊りたもう アンダー ザ ミラーボール 冷めてるようじゃ 務まらない 噛ましてみようや 燃え上がらなくちゃ 浮かばれない 交わしてさいなら …

お池の鯉

邪な気持ちで一杯のあたしを見つけて 何を欲しくて近づいてきているの 誰の姿も 分け隔てなく見るあんた 意図しない平和主義なんて 素敵ね! 男だ 女だ そんなことは 素知らぬ顔で あんたは未来に向けて生きる 見た目勝負のこんな世の中ときどき あんたの生…

アガパンサスの曇り空

君の舞台 来週を以て千秋楽 お疲れ様でした 勝手にこの曇り空は君のものだった 勝手にその淡い紫は溶けてしまった わたしの 青い空 白い雲 眩い夏

ともだち

どこへ行こうか なにをしようか なに、食べようか へべれけになった あれこれ話した 仕事のこと 未来のこと だれかのこと だれと だれと わたしがだれを知っていて わたしをだれが知っていて 親しいひとをともだちと呼ぶことは さして大切ではないだろうな …

牛込柳町へ

あたらしいクルマのにおい ゴルフボールのような手すり 新車両のふかふかの席 読む本は 泥棒日記 永代供養 気が滅入っちゃうな 52階建て くびが疲れちゃうな やんなっちゃうな メイドインチャイナ 土用の丑には うな〜 うな〜 日本製にこだわりたいな もうい…

ここぞとばかり

パーティーは 照明暗くして ドレスコード? 声を大にしては言えない だって 恥ずかしいんだもの どうか 穏便に 日常に組み込むこと 特別扱いしないこと ここぞとばかり 騒がないこと 日頃から 黙っていないこと パーティーは 音響でかくして アドレス交換? …

21時

赤ん坊が泣いている 壁の近さ 間仕きりの多さ 響く声に なおのこと だだっ広い 場所へ 夜空の下へ おいで

安物

靴はいいものを履こう 安物はいけない あとに響く ネイビーやグレーの ポロシャツやハーフパンツは ユニクロや無印良品で 色の組み合わせとサイズさえ誤らなければ 背中や胸に飾りや文字もなくていい ただし色物はすこし高めで撃ち落とそう 発色のいいものは…

額縁

なんの賞ももらえないような書も 額に入れてみるべきよ 晒して初めて恥を見積もらん なんの妙も感じ取れない画も 壁に鋲で留めるべきよ 自惚れて初めて恥を見積もらん いつもそうあるべきよ けっして謙虚になれはしない とくに作品に関しては まさか謙虚に仕…

当選

宝くじでも当たんないかしら だってこの先どうしよう? 貧しくてあちこち痛くて治せなくて 老いて老いて 置いてけぼりにして 人生百年 なんのつもりかしら だって拷問みたいでしょう? 身体だけ労り心は置き去り どうせつらいことばっかりじゃないかって 死…

面倒

拾ったヤマモモの実は ポケットに入れない方がいい きまって忘れて洗濯機回すから つぶつぶで覆われた実は 赤くてかじったら甘くて ああほら唾が出てくる ほっといても実ってくれるって有り難い いつか植えるならやがて食べられる木を いつか蒔くならあとで…