ここにソイソースかけてごらんよ…

ギルビック?ギルギミック?わかりません、ランブルスコで……あ、はい…あ、どうも……ボトル片手にグラス……テーブルが壁にある?置けない。参ったな、これが言わずと知れた"両手ふさがり"か……そうそう、さっきの店の話だけど、ミネラルウォーターください、ってたしかに女性に伝えたんだ。でも一向にミネラルウォーターはやって来なかった。やがて待ち続けた20分が見かねてやさしくわたしに語りかけてくる。「信じられるおすそわけ、そうでないおすそわけ。わかるかしら……そうよ人生は……おすそわけ程度でいいじゃない」なんだろう、心が落ち着いてくる。突然、中学時代の峯岸くんを思い出す、なにしろ彼は"腕まくり"のことを"裾上げ"と呼んでいた。逆に"裾上げ"のことは"丈を詰める"と呼んだ。呼びたい放題だったのだ。峯岸タイムおわり。フォークとナイフを使ってスプーンでポタージュを飲んだかのように歓談の……箸置き…金継ぎ……歓談の、ようするに、あれを、みんなが……へへっ、恥ずかしくなっちゃうじゃないか。おしぼりを使って睫毛を拭く仕草、瞬きの合図、手懐けた門扉、開閉するとき、膨らむ造成地、マダガスカル産のオーイェー、オーイェーイェー!はヲーヱー、ヲーヱーヱー!よくわからないよ、床に壁が生じはじめる。出口よりも出ていきたい入口、彼岸花が活けてある、マンチェスター・ユナイテッドの赤よりも赤い。まじか……「おすそわけ程度でゐー」マダガスカル産の20分。ちなみに、いま山手線運転見合わせの連絡が来ていたことに気づいたんだけど!これぞまさしくカナリア・ウィーウィー・ホンマカイナ、カナリア・ウィーウィー・ホンマカイナ、初めてだよこんな気持ち!