美しい

君が涙した その黒い星は

死んだあとも 輝くだろう

 

君が涙した あの黒い星は

生きている間 つきまとうだろう

 

けれど 撃ち落とさない

 

美しい

君の涙は美しい

敵を恨まず

ただ 遡るのだ

己の弱さだけを

あの日を

 

たぶん 愛してやまない

 

そのような 頬の煌めきは

これから 少なくなる一方だ

たとえ 光ることがあっても

憎しみ 悲しみ 苦しみ  歪み

いつもそのどれかを帯びている

おそらく それ以上に慈しいものが

もう 流れることもないと思えば

 

美しい

君の涙は美しい

誰をも恨まず

ただ 遡るのだ

己の甘さだけを

あの時を

 

美しい