情熱の見える窓

食べる麦めし。片方だけ吊られたすだれがアーチになっているベランダに足を下ろす。エメラルドグリーンの躯体が生み出す、真珠のような影。股間にありそうなきわどい紅が、恥じらうように紫になると、風に揺れていた旗がそれに応じるかのように、めくれたり、結んだりする。カビの生えたキノコから再び始まろうとしている生命の循環は、地中海に降り注ぐ太陽の熱を独り占めしたあげくに、農園の地表を穿ち、誰も手にしたことのない香水を身に纏う。とことん食べる麦めし。いずれにせよ、インディペンデンス・デイに生まれた子どもは皆おしなべてキシリトール・ガムを好む。それだけならまだしも、独自のデザインで演出を図る自称モニタールーマーが自らの身体を画面に捩じ込み、たとえ抜けなくなっても、インディペンデンス・デイに生まれた子どもは皆おしなべてキシリトール・ガムを噛んでいるだけで、彼の身体を引き抜くことはしない。クセの強い圧迫がアレグレットに脈打つキャビテーションに似たラブ&ピース、秘密の花園に大きなメゴチを放つ。知る人ぞ知る汁、食べるセンテンス、飲むキャンペーン。シティーボーイ風ガール系モーション家族たちの笑い声。高らかに、蟹、蟹、蟹、あふれる熱湯、そびえ立つ紅、静まり返る世界。みだりに飛び出して、引くに引けない身体を、ああ、これからどこへ引きずって。