2019-03-12 六号向島戦 くらげが泳いでいるのではなかった それはタバコの箱のフイルム 植え込みの縁に腰をかけ 春を見上げる 隅田川 私と人びと 軽いビートが近づくのがわかった それは幼子の駆けてくる音 幾度にも渡る母の声を 春はかき消し 子を逃がす まどろみの午後 ここからはなんてつややかだろう 砂埃まみれの弾丸 見とれてしまうなめらかさだろう 川向こうはゆるい撃ち合い 争う一分一秒