貨物列車

眠たい体に鞭を打って
漕ぎ出す自転車
夜道をゆく
大型温泉施設は
不景気な世界笑う
まばゆい

フロントガラスを通して
飽きるほど見てた
景色をゆく
米軍通信基地には
降り注ぐオレンジ
だだっ広い

聞こえる
あの猛スピードが
この世から拐っても
明日も
あの貨物列車が
その音を響かせるなら

わざとゆっくり走って
こっちを見てただろう
パトカー
職務質問されがてら
景気とは縁のない
顔拝みたい

聞こえる
あの猛スピードに
ただちに葬られても
明日も
あの貨物列車に
行き先があるのなら