2021年1月10日の午前9時

濃いの出すんだろうなあ――木材どうし仮留めできるくらいのね!少し薄くてしっかりした髪、髭はおそらくもみあげとあごを繋いでいて、絶妙にださい色合いの服、袖口からは雄の気配……重力に逆らって、胸のほうへとちぢれた蔦がきっと伸びているにちがいない。ああ、なんて静謐な不純!この瞬間に恍惚としながら、遠くの連峰を見やる。今日は空気が澄みすぎて、栃木あたりの山まで見える。この変態、君の前で暴発させぬよう気をつけなくちゃね。