「はあ……ねえ、改札階さん……はあ、はあ」
息を切らしながら彼女は続けた。
「製氷機がね…」
「蜜濃、もうやめなよ、何を投げているの?」
「なんにもしてないって……はあ、はあ……お願いだから聞いて……製氷機が」
蜜濃は眉間に皺を寄せてしまったことに気付いたらしく、すぐさま両目を大きく開いた。今度は額に皺ができた。
「壊れたの。2台目なのに」
「製氷機が壊れたの?」
「そう……はあ、はあ……それでね……」
「それで、どうしたの?」
「注文したのよ」
今度はゆきが眉間に皺を寄せる番だった。彼女の皺は縦に四本額に深く刻まれた。
「それで、製氷機は届いたの?」
「はあ、はあ……届いたわ……4台目がね……はあ」
ゆきは少し混乱した。
「えーと……3台目はどこへ?」
「知らないわ……」
つづく