君と同じ 2015.9.26

鳴り響くホイッスルに

たったひとり安堵していた

グラウンドに染みていく

仲間たちの悔し涙

誘われるように目が潤んだ

あの 最低な十月ーー

 

脆弱な肩を庇って

情けないタックルさ

掴みにいこうとする腕など

容易に弾き飛ばされ

交代の宣告間際

「続けさせて……」

 

僕は君と同い年

同じだけ強くなれたし

君がこれから挑む相手に

なることも十分できた

君と同じ長さの時を

今日まで生きてきたこと

ごまかしてしまいたい

 

紅白のユニフォーム

いざ 塊になり

テレビを騒がせている

生まれたくにも時代も異なる同士が

たったひとつの勝利に猛進してゆく

 

僕は君と似ている

同じだけ強くなれるし

君の目指している頂へ

先に届くこともできる

僕には君と同じだけ

身体も時間も命もある

全部揃っているんだ

全部揃っているのに