2020年12月17日の夜の2

僧侶になるかゴミ収集員になるか、どちらかだった。事実、正社員という形式で、僧侶を募集していたのだ。経験は不問だった。

ペット供養の僧侶だった。自信がなかったから、応募しなかった。

僧侶になりたかった。僧侶になれば、直面している問題は全て解決すると思っていた。寺で修行して経を唱えれば、なにもかも良いと思っていた。

 

家でできるんじゃね?

 

般若心経を都合よく用いている。スーパー虚無が来るときがある。たすけて般若心経。とにかくぜんぶ無いんだよわかったか、頭ごなしに無い無い無い(と理解している)、そして、ほぼ一音のメロディライン。声でコップが割れる要領で、割れたガラスが集まってコップになっていくようで、気持ちよく感じられる。

 

ゴミ収集員だ。きたないのが嫌いじゃない。きれいの予感がしている。