2021年1月12日の朝

角を曲がると大通りにぶつかる。まだ多くの車たちが横断歩道に堰き止められていることを、遠くに見える信号機が証明していた。Z郎は自転車を立って漕いだ。頭上の電線に鳩の群れがいたので、それをよけながら進んだのは言うまでもない。ようやくマンションの陰からダムが見えたときにはもう決壊しはじめていて、Z郎はひどくがっかりした。