美の城

そんなことに腹を立てようとしている自分が“キモ”かった。ゴミはクセえしキタねえからいいのではないか。市民たちの反射的あるいは意図的な、眉をひそめた顔や罵り声、それらも含めて、わたしの美しさではないか。ひとびとが蜜を抜き取りとうに朽ちたブーケを拾い集めて、わたしの毎日はそれはもう華やか。特にゴミ処理場は、途方もない美の城。きたないはきれいの予感。きれいは結果きたない。

発展場から出る、精液なんかがいっぱいついた山盛りのティッシュが入ったビニール袋も、パッカーくんは食べているのか?ああ流石だぜパッカー!それに、もう、君は何体の人間を呑みほしたことだろうね。一度もなかった、ということはないんじゃないかい。