出水管・入水管

修行僧たちが修行をした先に見えるものが、修行をしないわたしと異なっているだろうか。俗世と隔絶されたとはいえ、俗世の片隅、町村の一部なら、家賃4手取り15の一般市民の生活と大きな隔たりがあるわけが――

金のことで、なぜにこんなにも陰鬱な気分になるだろうか。欲しいものがあるのだろうか。それはいったい?生きていけないのだろうか。それは本当?

自分が飢えて死ぬぶんにはかまわない。あなたが貧しさを苦に、飢えて死んでいくのは耐えられない。あなたの未来が貧しいものだと信じている間違いを正す能力が駄目になっているらしい。いまわかったことは、わたしは杞憂のプロだということ。何かお困りのことがあれば、拍車かけます。ご依頼お待ちし――

そんなわけで、股ぐらを右手の真ん中3本の指で擦る。知っている気持ちよさが、脳内に花を開いていく。パンツを脱ぐ。鏡の前に立つ。ミル貝の水管のようなあれが、だらしなくそこにある。顔は自分、下はミル貝。痩せていて、モテそうにない。独特な味が、若干の需要を生ずることを期待して。

筋トレはやめた。なぜなら、モテるためだったから。