麓のふたり

わたし あの山を
下りてきたのかしら
太陽も空も遥か上
いつのまに

あなた どこから
飛んできたのかしら
羽がきっとあるのだと
信じたもの

押し流されて 麓のふたり
抗うことを 暮らしている
もう届かない あの頂き
もう届かなくても いいの

ふたり 載せる道
誰を想うのかしら
家のまど 揺れるシャツ
きれいね

遠く見上げる 麓のふたり
とどまることを ためらう
もう届かない 頂きなら
海のほうへ

流れることに とどまることに
さからうことに つかれる 
何もいらない 伝えたい
とても 愛している