2021年1月5日の夜の2

無関心の罪、いや、無関心の刑に処されちまった――と言えば、自分のせいではないと言うみたいだけど、気になるまでもなく、気にしてみたいし、好きになるまでもなく、好きになりたい。つまり、効くべき筋肉に集中して、筋トレは行わなくちゃね。

上の空。半分死んだような目をして歩くおじいさんとは異なる形態で、俺は死に始めているんじゃないかな。出家しなくたって大丈夫だったよ、ユニクロのシャツを着ていても、座禅は組めるし、唱えたければ経もどうぞ、というわけだ。アディダスのパーカーを羽織っていてもいいしね。

有機質に富んでいたいだけだよ。ヒカキンのチャンネルを再生したら、匂いが、ヒカキンの部屋の匂いがぷんぷんしてきたら、どうかな。きたないようだけど、ヒカキンの唾が飛んできたら、どうかな。白くて丸い粒を食べたら、イクラとウニの味がして、美味しかった!とか、嬉しいかな。液晶の海を見ながら、パラソルを出して庭で日焼けをしても満足できる体になれるかを心配するけど、大丈夫、明日、青いパッカー車が宥めてくれるんだ!

五感を鈍らせたくないだけだよ。臨場感では満足できない体でいたい。さわれるところまで近づきたいし、近づいてほしい。あなたが、吊り革べたべたさわった手を差し出してきても、握り返すよ。あとで洗うけど!美味や芳香のみならず、不味、臭気、騒音など、これらも世界を鮮やかにする材料として用いたい。ムキでいたいよ、いつか無機になるまで。