会話②

「女の子がさ、そうだよ、まだ幼いと言ってもいいぐらいの女の子がさ、ほんとどうしようもない男にいたずらされたわけ。逮捕されたよ。どんな刑を受けようがありゃ治らないよな」

「そうねえ」

「男のスマホからは女の子の画像が見つかる」

「ああ」

「それをニュースってば、なんて言ったと思う?」

「ん?そのままじゃないの、女の子の画像が見つかりました、とか」

「"女の子の猥褻な画像が見つかりました"」

「女の子の猥褻な画像?」

「これじゃあたかも女の子が自らすすんで猥褻なものになったような言い方に聞こえないか?」

「うーん。まあ」

「女の子は、男によって猥褻なものになったんだよ。だから、女の子の猥褻な画像っていう表現は、感覚的なことかもしれないけど、男側の目線であって、女の子にしてみれば冗談じゃないと思うんだけど」

「なるほど」

「猥褻の意味」

「ほほう」

「社会通念に照らして性的に逸脱した状態をさす」

三省堂?」

weblio。相当逸脱した画像だったんだなと思われる」

「女の身体なんて興味ないでしょ」

「ない」

「確かめたい」

「pornhub ガチムチ、って調べれば概ね出てくる」

「ふむふむ。こんなの?」

「あー、顔が、惹かれない」

「身体はクリアしている」

「痩せているのは概ねだめなんだ。自分が痩せているもんだから」

「理想を求めているわけだ」

「ようするにね」

「概ねというのは」

「場合にもよるという」

「そういうもんなんだ」

「そういうもんさ」

「ふーん」

ホイミベホイミベホマラー、フトマラ」

「ちんこ舐めたことある?」

「あるよ。しゃぶったこともね」

「いかがでした?」

「味、ないなって」

「ふーん」

「だから、動画でちんこしゃぶってうめえうめえってのはあれは嘘だとわかったし、おそらくそいつは普段うまいもん食ってもそんなに男らしくうめえなんて言わないんだよ、こういうときだけは理想の男になったつもりで言葉を発しているんだ。いつもなら、あらおいしいわ、とか言ってる」

「そういうもんなの?」

「そうだと思ってる」

「願望なんだ」

「願いご〜とひ〜とつだけ」

「か〜なえ〜て〜く〜れ〜るな〜ら〜」

「傷つけ〜あっ〜た愛が」

「は〜じま〜ら〜ない〜よう〜に〜」

「ジャンジャジャンジャン デレレレレレレレ ジャンジャジャンジャララ デレレレレ」

「パオアポ〜 パオア〜 ドゥンドゥンドゥンドゥンドゥンドゥンドゥンドゥン」

「お〜も〜い〜での歌〜が〜な〜が〜れる〜と〜」

「2番なんだ」