気づいて

気づいて君は指でつまみ上げた。カーペット白くてよく目立った。黒いちぢれ毛。君かもしれないし、君じゃないかもしれない。後者だった場合、君の奥さんということになる。子どもはまだ3才で、まさか生えているまい。僕はまだ脱いでいないし、脱ぐことはないだろう、お手洗いも借りていない。だから僕のではないと思う、ただ、家から付けてきたんじゃないかと疑われたら、争えない。

葱の部品があって(どこかにうどんの玩具があったのかもしれない)、子どもはトミカを走らせて、ときどき葱もブウーンと走った。

気づいて君は指でつまみ上げた。僕も気づいていたけども、人の家の陰毛はただ眺めるよりほかなかった。