ぶるん

おしっこするとき引っ張り出すちんちんが、ぶるんと揺れました……つまりそれは無邪気。やわらかいちんちんは、生まれたての赤ん坊みたいに何も知らないふりをするのがうまいと思う。この赤ん坊が、ある瞬間になかやまきんに君になって、なかやまきんに君みたいに地味で穏やかならまだしも、パリピなかやまきんに君になって、コブラのように鎌首をもたげたりはたまたイヤイヤ期の赤ん坊みたく反り返ったり……。何はともあれ、今ここにいる男たちがおそらく皆、薄汚れた身体と心とは裏腹にやわらかいちんちんという無邪気さを、おしっこするときに引っ張り出せばぶるんと頭を揺らす幼さを、アゲハチョウやカブトムシの幼虫がその幼いときにだけ纏っているぷくぷくの愛らしさを、パンツの下に収めているという事実は、つまり、落ちた実をつつく鳩たちのいる公園の景色が目の前にだーんと広がっているようなものだ。ところでこの赤ん坊は赤ん坊のまま齢を重ねていくため、おじいさんの赤ん坊はしわしわの、白髪の、しみの多い赤ん坊である。おじいさんの赤ん坊も、おしっこするときに引っ張り出せばぶるんと頭を揺らす幼さを持っているし、仮に鼓動がすっかり止んでしまっても、そのあとの幾日かはおじいさんの赤ん坊はそれでもじつに無邪気なやわらかな様子で鎮座しつづけることを忘れないだろう。これはかなり滑稽であり、念入りに裏を返せば愛しいことである。