当院Tポイントカードは使えません

ゴールドブリーズ処方。わたしのなかからゴールドブリーズ。マイ・ゴールドブリーズを求めて全国各地から人たちがやってくる。人たちはわたしからゴールドブリーズを貰うと、こんどはわたしが彼らからお金をもらう。人たちは、言い換えれば客たちだった。「春に頂いたゴールドブリーズがつい一昨日くらいになくなっちゃったのよ」「それはそれは。では、ゴールドブリーズを。セオセオセー」「ああん!これこれ、ゴールドブリーズ!うーん、ゴールドブリーズだわ!先生のゴールドブリーズは世界一のゴールドブリーズだわ!ありがとうゴールドブリーズ」

日々というものには朝が迎え入れられ、忘れることなく昼が迎え入れられ、そして同様に夜が迎え入れられる。しかし、迎え入れたならば送り出さねばならないはずなのに、わたしは一度もそれらが送り出されるところを見たこともないし、送り出したこともない。雫石……突如投げられたダーツ。「そうだ……雫石に行こう!」建物の中と外と前の通りの路肩の車の中でセオセオセーを待ちわびている客たち全てにお望みのセオセオセーを与えたあと、わたしは部屋を片付け、早速雫石へ向かう支度をした。