❌ 座る ドスン バス

脚にある筋肉を使わないで座席に座る奴は、ポケットを叩くとビスケットがふたつ♫を信じて生きている奴なのか?だからあいつが席を立たないかずっと見てたんだ……八分目まで溜めた水を一気に流したようなオーラが漂っていて、やっぱりな、と思ったんだ……餅のほうが軽いさ、音色よりもな……指示値不良気味の電流計に残された未来が二つだけあるように、わたしとあいつの間には良くも悪くも七つほどの歳の差があるように思えた。あくまで思えただけで、本当に思っていたことは醤油ラーメンに含まれる大豆がF1なのかF2なのかはたまたF3というものが存在するのかどうかということだったのだけれど。あいつが席を立ったとき、換気扇が回りだして換気されたのがわたしだったことにわたし自身気づくことができなくて悔しい思いをした。二日前の、一気に押し寄せる波が白波となって沖をも白く染めるような、幻想的な、禍々しい様子……横断歩道の歩行者に容赦無い警笛を喰らわすことが容易なあまりすっかり楽しんでいるバスの運転手の顔がパッと浮かんでは消える、そういう意味では儚く、脆い様子。あいつの座っていた席は、今やライトに照らされた程度の熱で焼けただれ、残された串には真っ黒い銀杏が四つ。誰が見てもわかる、これは焼きすぎだ。