想像するンゴ

少年のように「スゲエ!」ではだめだし、少女のように「スゴイ!」ではなおさらだめ、やっぱり成熟した立派なオスであるならば「スッゲ。オースッゲ。」一択しかないのだろう!更に言えば、「スッゲ!オースッゲ!」のように「!」などもつけるべきでもなく、あくまで淡々と、汗だくでも脈がどんなに速くても、冷静に「スッゲ。オースッゲ。」これはルールでありマナーでもあるのかもしれない。

ゲイセックスのいいところとして、いくら中に出しても相手が孕むことがないという背徳感のなさや、男同士ゆえ遠慮なく武骨なプレイができることを思い浮かべがちだ。じつはもうひとつ重要ないいところがある。それは自分から出てくるものが相手からも出てくるということ、またそれを「スッゲ。オースッゲ。」というグルーヴ感のもとで共に感嘆し讃えあえることだ。お互いの身体から白い液体が出てきたとき、お互いにその気持ちよさが理解できること、言葉を用いなくてもほとんど理解できるうえに、射精する、白い液体が出るというわかりやすい結果オーライに到れること、イク側も見守る側も共にその時間を同じ熱量で過ごせること、これは男同士のセックスにおける重要なポイントではないかと思う。「スッゲ。オースッゲ。」はゲイがセックスする際の共通言語、共通の感嘆詞であり、場の雰囲気をこの上なくいやらしく上質なものにする唯一の言葉だと思う。幸いわたしは、骨に皮がついた程度のまったくヒトを発情させない身体だから、まあ、その、想像するよりほかないわけだけれど。